コント/うどんVSそば<三番線、最果ての地行き、「ポーツマス野々村」18号が発車いたします。ご注意下さい・・・>(電車が去った後に、荷物を持った一人の男が現れる) 中村:・・・ふぅ。時刻表は・・・あったあった。 3番線「ベルサイユ川相」24号の到着時刻は・・・まだ30分もあるのか。 どうしようかな・・・あ、立ち食い屋さんがあるぞ。何か腹に入れていこう。 (荷物を持った男が立ち食い屋に入る) 店員:いらっしゃい。 中村:えーと・・・・・・・・かけそば一つ下さい。 店員:はいよ。 中村:(バッグから本を取り出し、開く。本の表紙には「愛 ラヴ そば」と書かれている) 店員:はいよ、そばお待ち。 中村:あ、どうも(本を読みながらそばをすする) 宮崎:ふぅー、4番線「ポツダム宣言葵」63号の到着時刻は・・・まだ30分もあるや。 あ、立ち食い屋さんがあるぞ。ホームでずっと待ってるのも寒いし、入って何か食べよう。 (リュックサックを背負った男が立ち食い屋に入る) 店員:いらっしゃい。 宮崎:えーと・・・・・・・・かけうどん一つ。 店員:はいよ。 中村:(そばをすすっている) 宮崎::(リュックから本を取り出し、開く。本の表紙には「僕とうどんの一生」と書かれている) 店員:はいよ、うどんお待ち。 宮崎:(うどんを貰う) 中村:(ずるずる) 宮崎:(ちゅるちゅる) 中村:(うどんを食べている男を見ながら、そばをずるるるる) 宮崎:(そばを食べている男を睨みつけながら、うどんをちゅっちゅちゅるちゅる) 中村:(そばをずるずる) 宮崎:(負けずにうどんをちゅるちゅる) 中村:(美味しそうにずるずる) 宮崎:(神が与えた食べ物の様にうどんをちゅるちゅる) 中村:(うどんなんて目じゃねぇや、みたいな目でそばをずるずる) 宮崎:(そばを食べるなんてどんな神経をしているんだ、みたいな目でうどんをずるずる) 中村:(うどんを食べている男の水を全部飲み、代わりにそばのダシを入れる) 宮崎:(気付いていない) 中村:(最後のそば様をずるずる) 宮崎:(そばを食べている男の水を全部飲み、代わりにうどんのダシを入れる) 中村:(こちらも気付いていない) 宮崎:(ダシを一気飲み、ごくごく) 中村:(ダシを飲み終え、満面の笑みを浮かべる) (時計を見るが、まだ5分しか経っていない) 中村:(空腹は満たされたが、ここでうどん好きを見逃す為には行けないと思い、留まる) 宮崎:(寒さは無くなったが、ここでそば好きを見逃す為には行けないと思い、同じく留まる) 中村:(だからと言って食べ終わったのにここに留まるのは迷惑だ) 宮崎:(何も食べずに残り25分もいるのは営業妨害だ) 中村:・・・天ぷらそば一つ。 宮崎:・・・月見うどん一つ。 店員:あいよー。 店員:はい、天ぷらそばと、月見うどんお待ち。 二人:(自分の頼んだ物を取り、食べる) 中村:(まず、天ぷらを一口味わい、さくさく感を味わう) 宮崎:(上に乗っかっている卵を箸で割り、卵がからまったうどんを気持ちよくすする) 中村:(天ぷらに甘エビが入っていたので喜ぶ) 宮崎:(七味唐辛子をかけ、さっきとはまた違ったうどんの味を堪能する) 中村:(天ぷらとそばを同時に口の中に入れ、ハーモニーを味わう) 宮崎:ごほっ、ごほっ!!(七味唐辛子をかけすぎたので、むせる) 中村:う、うぐっ! ぐぅー。(口の中の口内炎を噛むが、その場で足踏みをして耐える) 宮崎:(セルフサービスのネギを大量にいれ、唐辛子の辛さを打ち消す) 中村:(一生懸命そばをすすり、痛みを忘れる) 宮崎:にゃっ!!(逆にネギを入れすぎ、月見うどんと言うよりは月見ネギになっている) 中村:ぐげぇっ!(今度は舌を噛む) 二人:(同時にその場にしゃがみ、顔を伏せる) 中村:(お腹一杯になりながらも、何とかダシ飲み干す。一応笑顔) 宮崎:(唐辛子とネギに泣きそうになりながらも、食べ終わる。少々涙目) 二人:(時計を見るが、まだ20分しか経っていない) 中村:(こいつだけには負けたくない、残り10分で勝負を決めると対抗心を燃やす) 宮崎:(あまりに遅い時間の流れに、冷や汗を流す) 中村:(もう一杯) 宮崎:(も、もう一杯・・・) 中村:とろろそば一つ。 宮崎:き、きつねうどん下さい。 店員:は、はいよー。 店員:はい、とろろそばと、きつねうどんお待ち。 二人:(一応手をつけるが、なかなか箸が進まない) 中村:(とろろだけを吸う) 宮崎:(あげにダシを吸い込ませ、口の中に入れる) 中村:んぐぅ、んぐっ!(とろろが喉につまる) 宮崎:あつつつつ!(アツアツダシの奇襲攻撃にやられる) 中村:(水を飲む) 宮崎:(水を飲む) 中村:(うどんのダシだった) 宮崎:(そばのダシだった) 中村:(睨む) 宮崎:(同じく睨む) <3番線、あそこからそっちまで行き「ベルサイユ川相」24号が発車いたします―――> <4番線、あの、あれですよ、あそこまで行き「ポツダム宣言葵」63号が発車いたします―――> 中村:あぁ、電車が! 宮崎:行っちゃった・・・ (しばらく立ち尽くす) 店員:・・・お客さん。電車を待つ時間も延びたけど、麺も伸びてるよ (うどんとそばが伸びている) 中村:・・(ずるずる) 宮崎:・・・(ちゅるちゅる) 二人:・・・どっちもうまくないです・・・。 |