017679 ランダム
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明日は明日の風が吹く。

明日は明日の風が吹く。

コント/うどんVSそば

<三番線、最果ての地行き、「ポーツマス野々村」18号が発車いたします。ご注意下さい・・・>



(電車が去った後に、荷物を持った一人の男が現れる)



中村:・・・ふぅ。時刻表は・・・あったあった。
   3番線「ベルサイユ川相」24号の到着時刻は・・・まだ30分もあるのか。
   どうしようかな・・・あ、立ち食い屋さんがあるぞ。何か腹に入れていこう。



(荷物を持った男が立ち食い屋に入る)



店員:いらっしゃい。

中村:えーと・・・・・・・・かけそば一つ下さい。

店員:はいよ。



中村:(バッグから本を取り出し、開く。本の表紙には「愛 ラヴ そば」と書かれている)



店員:はいよ、そばお待ち。

中村:あ、どうも(本を読みながらそばをすする)





宮崎:ふぅー、4番線「ポツダム宣言葵」63号の到着時刻は・・・まだ30分もあるや。

   あ、立ち食い屋さんがあるぞ。ホームでずっと待ってるのも寒いし、入って何か食べよう。



(リュックサックを背負った男が立ち食い屋に入る)



店員:いらっしゃい。

宮崎:えーと・・・・・・・・かけうどん一つ。

店員:はいよ。

中村:(そばをすすっている)



宮崎::(リュックから本を取り出し、開く。本の表紙には「僕とうどんの一生」と書かれている)



店員:はいよ、うどんお待ち。

宮崎:(うどんを貰う)

中村:(ずるずる)

宮崎:(ちゅるちゅる)

中村:(うどんを食べている男を見ながら、そばをずるるるる)

宮崎:(そばを食べている男を睨みつけながら、うどんをちゅっちゅちゅるちゅる)

中村:(そばをずるずる)

宮崎:(負けずにうどんをちゅるちゅる)

中村:(美味しそうにずるずる)

宮崎:(神が与えた食べ物の様にうどんをちゅるちゅる)

中村:(うどんなんて目じゃねぇや、みたいな目でそばをずるずる)

宮崎:(そばを食べるなんてどんな神経をしているんだ、みたいな目でうどんをずるずる)

中村:(うどんを食べている男の水を全部飲み、代わりにそばのダシを入れる)

宮崎:(気付いていない)

中村:(最後のそば様をずるずる)

宮崎:(そばを食べている男の水を全部飲み、代わりにうどんのダシを入れる)

中村:(こちらも気付いていない)

宮崎:(ダシを一気飲み、ごくごく)

中村:(ダシを飲み終え、満面の笑みを浮かべる)



(時計を見るが、まだ5分しか経っていない)

中村:(空腹は満たされたが、ここでうどん好きを見逃す為には行けないと思い、留まる)

宮崎:(寒さは無くなったが、ここでそば好きを見逃す為には行けないと思い、同じく留まる)

中村:(だからと言って食べ終わったのにここに留まるのは迷惑だ)

宮崎:(何も食べずに残り25分もいるのは営業妨害だ)

中村:・・・天ぷらそば一つ。

宮崎:・・・月見うどん一つ。

店員:あいよー。





店員:はい、天ぷらそばと、月見うどんお待ち。

二人:(自分の頼んだ物を取り、食べる)

中村:(まず、天ぷらを一口味わい、さくさく感を味わう)

宮崎:(上に乗っかっている卵を箸で割り、卵がからまったうどんを気持ちよくすする)

中村:(天ぷらに甘エビが入っていたので喜ぶ)

宮崎:(七味唐辛子をかけ、さっきとはまた違ったうどんの味を堪能する)

中村:(天ぷらとそばを同時に口の中に入れ、ハーモニーを味わう)

宮崎:ごほっ、ごほっ!!(七味唐辛子をかけすぎたので、むせる)

中村:う、うぐっ! ぐぅー。(口の中の口内炎を噛むが、その場で足踏みをして耐える)

宮崎:(セルフサービスのネギを大量にいれ、唐辛子の辛さを打ち消す)

中村:(一生懸命そばをすすり、痛みを忘れる)

宮崎:にゃっ!!(逆にネギを入れすぎ、月見うどんと言うよりは月見ネギになっている)

中村:ぐげぇっ!(今度は舌を噛む)

二人:(同時にその場にしゃがみ、顔を伏せる)

中村:(お腹一杯になりながらも、何とかダシ飲み干す。一応笑顔)

宮崎:(唐辛子とネギに泣きそうになりながらも、食べ終わる。少々涙目)





二人:(時計を見るが、まだ20分しか経っていない)

中村:(こいつだけには負けたくない、残り10分で勝負を決めると対抗心を燃やす)

宮崎:(あまりに遅い時間の流れに、冷や汗を流す)

中村:(もう一杯)

宮崎:(も、もう一杯・・・)

中村:とろろそば一つ。

宮崎:き、きつねうどん下さい。

店員:は、はいよー。

店員:はい、とろろそばと、きつねうどんお待ち。

二人:(一応手をつけるが、なかなか箸が進まない)

中村:(とろろだけを吸う)

宮崎:(あげにダシを吸い込ませ、口の中に入れる)

中村:んぐぅ、んぐっ!(とろろが喉につまる)

宮崎:あつつつつ!(アツアツダシの奇襲攻撃にやられる)

中村:(水を飲む)

宮崎:(水を飲む)

中村:(うどんのダシだった)

宮崎:(そばのダシだった)

中村:(睨む)

宮崎:(同じく睨む)





<3番線、あそこからそっちまで行き「ベルサイユ川相」24号が発車いたします―――>

<4番線、あの、あれですよ、あそこまで行き「ポツダム宣言葵」63号が発車いたします―――>

中村:あぁ、電車が!

宮崎:行っちゃった・・・

(しばらく立ち尽くす)

店員:・・・お客さん。電車を待つ時間も延びたけど、麺も伸びてるよ

(うどんとそばが伸びている)

中村:・・(ずるずる)

宮崎:・・・(ちゅるちゅる)

二人:・・・どっちもうまくないです・・・。


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